今回は、薬事事務で必要不可欠な自家製剤算定についての解説をします。
算定要件
①薬価基準に同一成分で指定の成分量の薬品が収載されていないこと。
②薬剤に割線があること。
以上の算定要件をどちらもクリアした場合に、算定回数制限なしで1調剤につき1回ずつ算定できます。
ただし、一包化・嚥下困難算定ができる場合はこの限りではありません。
調剤報酬点数
内服薬及び屯服薬
( 1 ) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬 20点
( 2 ) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の屯服薬 90点
( 3 ) 液剤 45点
外用薬
( 1 ) 錠剤、トローチ剤、軟・硬膏剤、パップ剤、リニメント剤、坐剤 90点
( 2 ) 点眼剤、点鼻・点耳剤、浣腸剤 75点
( 3 ) 液剤 45点
算定できるパターンの例を挙げてみます。
(例1)
ザイザル錠5mg 1錠
分2 朝夕食後 5日分
この場合は、算定できます。
1錠を分2で服用ということは、0.5錠が1回量になる為です。
※(例2)は、応用しやすいようアルファベットでの表記です。
(例2)
A錠 0.5錠
分1 朝食後 30日分
B錠 0.5錠
分1 朝食後(隔日)15日分
(じほう株式会社 保険調剤Q&A参照)
この場合は、どのように算定できるでしょうか。
まず調剤料の算定における考え方としては、朝食後という服用時点は同一である為、1剤としてカウントされます。
ですが、調剤においては朝食後と隔日朝食後という2つの服用時点として考えます。
その為、答えはどちらも算定が可能です。
次は、算定できないパターンの例になります。
(例3)
ワーファリン1mg 0.5錠
分1 夕食後 28日分
この場合では、算定できません。
ワーファリンには割線が存在しますが、0.5mgの規格がすでに存在する為、わざわざ1mgの半錠で算定する理由がありません。
そのために、代替にてワーファリンの0.5mgを1錠で処方することになります。
(例4)
A錠 0.5錠
分1 寝る前 14日分
(Aは先発品で先発には半錠の規格がなく、後発品には半錠の規格が薬価収載されているとする。)
この場合はどうでしょう。
先発品であるA錠には半錠の規格は存在しませんが、A錠の後発品には半錠の規格が存在します。
一番最初に書きました算定要件を思い出してみてください。
同一成分で指定の成分量の薬品が収載されていないこと
と記載しました。
先発品であれ後発品であれ、成分は同一になりますよね。
なので(例4)の答えは、算定できません。
今回挙げた4例以外でも、実務には様々なパターンがあります。
算定できるか微妙な場合に、レセプトが通るかというのは都道府県によっても異なります。
その為、他の薬剤師の意見を仰ぐことも大切になってきます。
いかがだったでしょうか。日々変わりゆく保険制度など、順次対応していかなくてはいけないことが山ほどあります。
しかし、何事にも応用には基本が必要です。
この記事が少しでも多くの方のお役に立てればと思っております。
以上、事務員piyoでした。🐥